【SAT満点・AP全科目5・それでも全落ち】「あとはエッセイだけ」と思った瞬間に負ける。海外大出願の"正しい順番"の作り方

Emi Sakashita
α事務局

【SAT満点・AP全科目5・それでも全落ち】「あとはエッセイだけ」と思った瞬間に負ける──海外大出願の"正しい順番"の作り方

海外大学の出願で、私のところに毎年いちばん多く届く質問はこれです。

「スコアはもう揃いました。あとはエッセイの仕上げだけですよね?」

結論から申し上げます。この一文が出てきた時点で、その年の出願はかなり危ういと私は判断します。

理由は単純で、スコアが揃った状態というのは「勝負が始まる直前」であって、「勝負が終わりかけている」状態ではないからです。順番を間違えたまま11月を迎えるご家庭を、私は18年間、毎年見てきました。

今日は、実際にいただく質問の形で、この順番の話を整理します。


Q1.「スコアは十分だと思います。あとはエッセイだけでしょうか?」

A.スコアは「合格理由」ではありません。「出願資格」です。

先日ご相談をいただいたご家庭のお子さんは、SAT 1570、TOEFL 118、AP7科目すべて5、ピアノでコンクール入賞、ロボティクス部を自分で立ち上げ、地域の小学生向けプログラミング教室まで運営していました。日本のご家庭のお子さんとしては、間違いなく最高水準です。

それでも私は、率直にこうお伝えしました。

合格率が数%台の大学では、同等かそれ以上のスコアを持つ受験生が、毎年数千人単位で不合格になります。つまりスコアは、もう差がつく場所ではないのです。

そしてもう一つ、申し上げにくいことがあります。

理数系のAPが満点、STEM系のクラブ、楽器、地域ボランティア。この組み合わせは、米国のアドミッションオフィスの目には、最も出願者が密集し、最も差別化が難しい「型」として映ります。ご本人の努力とは無関係に、書類上は「去年も一昨年も見た束」に紛れてしまう。

活動が足りないのではありません。活動が多いのに、一本の線が通っていないのです。


Q2.「エッセイの添削は何回してもらえますか?」

A.回数の話をしている時点で、直すべき場所がずれています。

先ほどのお子さんが書いてきたPersonal Statementは、夏に祖母の畑を手伝った話でした。芽の「間引き」がテーマです。どの芽を残し、どの芽を抜くのか。そこから、学校で見過ごされている生徒たちに目を向け、居場所をつくる活動を立ち上げた——という構成でした。

文章はうまいのです。英語も申し分ない。着眼点も悪くありません。

ですが、私が最初にお伝えしたのは次の一点でした。

間引かれた芽に例えられているのが「他人」になっている。

このままだと、後半は活動報告——Activities欄に書く内容の焼き直し——になり、書き手自身がエッセイから消えます。読み手に残るのは「良いことをした生徒」という印象だけです。それは一万人が書いてきます。

そして、このエッセイでいちばん強い素材が、まだ使われていませんでした。

おばあさまが毎年、本人が抜いた芽を、畑の隅に黙って植え直していたこと。

抜かれたはずの芽は他人ではなく、本人だった。ここに軸を入れ替えるだけで、エッセイの意味は根本から変わります。後半の活動も、説明せずに意味が通るようになります。

逆に言えば、軸がずれたまま何回添削しても、評価は一ミリも動きません。

私たちの仕事は、文章を直すことではありません。何を書くかを決めることです。添削は工程の最後の1割で、残りの9割は自己分析とポジショニングとストーリー設計です。ここを「添削の回数」で比較しようとすると、どこに頼んでも同じものしか買えません。


Q3.「面接対策はどのくらいやってもらえますか?」

A.学部出願の面接に、皆さんが想像するほどの比重はありません。

米国大学の学部出願で行われる面接の多くは卒業生面接で、合否への影響は日本のご家庭が思っておられるより小さいのが実情です。勝負はエッセイと出願戦略でほぼ決まります。

ただし、奨学金は別です。柳井財団、笹川財団をはじめとする給付型奨学金は、面接が合否を大きく左右します。ここは徹底的にやるべき場所です。

「どこに時間を配分するか」を間違えないこと。これも順番の話です。


Q4.「もし塾を使わないとしたら、今から何を強化すべきでしょうか」

正直にお答えします。強化すべきはスコアではありません。これ以上上げる余地も、意味もありません。

課題は3つです。

1.点在する活動を貫く一本のストーリーがないこと
2.ED/EAというカードを、どの大学に切るかという出願戦略
3.各校のWhy usエッセイに耐えるだけの大学研究

そして残酷なことに、この3つは、性質上ご家庭の中では診断できません。

原稿を何度読み返しても、軸がずれていることには気づけないのです。理由は簡単で、書いた本人には「そう読める理由」が全部見えているからです。見えていないのは読み手の側だけ。ここに気づけるのは、毎年何百通ものエッセイと、その先の合否を見ている人間だけです。

2026/08/15 14:51:52
Emi Sakashita
α事務局

それでも「うちは大丈夫」と思ってしまう理由

もう一段だけ、深いところに触れます。

「あとはエッセイだけ」と感じてしまうのは、慢心ではありません。ここまで、努力の量で全部突破できてしまったからです。単語も、数学も、楽器も、時間をかけた分だけ結果が出てきた。だから最後の一手も、同じやり方で越えられると思う。

私自身も、まったく同じことをしていました。東大受験までは、正面から量で殴れば必ず通ると信じていました。その通りだったからです。ですがその後、通用しない場面に何度もぶつかりました。量が効く戦いと、設計が効く戦いは、まったく別物です。

海外大出願は、完全に後者です。

そして、お子さんの出願書類を見て「もっとこうすればいいのに」と苛立ちを感じるとき、その苛立ちの中身は、たいてい保護者自身が自分のキャリアで一度も言語化できなかった問いと同じものです。「なぜそれをやりたいのか」を、何段も掘り下げて言葉にした経験のある大人は、驚くほど少ない。だから子どもにも教えられない。これは能力の問題ではなく、単に誰にも教わってこなかっただけです。


アルファ・アドバイザーズがやっていること

私たちが出願アドバイザリーで最初にやるのは、エッセイを開くことではありません。

「なぜその大学か」「なぜその専攻か」を、何段も掘り下げることです。私たちはこれを「なぜのなぜ」と呼んでいます。ここが浅いまま書かれたエッセイは、どれだけ英語がきれいでも、読み手には一行で見抜かれます。

そのうえで、点在している活動を一本のストーリーに編み直し、ED/EAの切り方まで含めて設計します。志望校全校のエッセイと奨学金エッセイの指導は、回数無制限です。

費用についても先に明記しておきます。基本はコース内で完結します。別料金になるのは、日本語で作成した書類の英訳・英語ネイティブによる仕上げ、アドバイザーとの模擬面接(話す練習)、そして締切直前に一日何往復もして仕上げる集中プランの3つだけです。エッセイをベースにした想定質問の準備と回答づくりは、コース内で追加料金なしで対応します。

代表の入住は住友商事からシカゴ大学Booth MBA、ゴールドマン・サックス投資銀行部門を経て当社を創業しました。私は東京大学大学院で脳科学を研究し、コロンビア大学教育大学院で臨床心理学を研究しています。「大学に入る」ではなく「その先どこで戦うか」から逆算して設計できるのは、この二人がいるからです。


最後に

いちばん伝えたいことは一つだけです。

落ちてからではなく、落ちる前に来てください。

ED/EAの締切は11月1日です。トップ校水準のエッセイは、書き直し10回以上が標準です。8月中旬の今から数えて、実質11週間しかありません。

そして本音を言えば、中学生のうちに来ていただくのがいちばん強いです。活動は積み上げた時間の分だけ深くなり、掘り下げるほど本人の言葉が出てくるからです。高2以降の方も、既にあるものを組み替えるところから必ず立て直せます。

一緒に、掘り下げましょう。


坂下絵美
女子学院→東京大学薬学部→同大学院薬学系研究科 薬科学専攻 修士課程修了(薬品作用学教室・海馬の神経回路研究、査読論文共著)→コロンビア大学教育大学院にて臨床心理学を研究。アルファ・アドバイザーズCOO(2020年〜)。アルファは18年間で累計8万名以上をサポート。

2026/08/15 14:52:01

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