【相談Q&A】柳井・笹川に書類で落ちた高3へ。「よく書けている」と言われたエッセイほど落ちる理由。逆転合格のために今日から3ヶ月でやるべき5つのこと
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【相談Q&A】柳井・笹川に書類で落ちた高3へ。「よく書けている」と言われたエッセイほど落ちるのは、あなたの脳が“正解探しモード”に入っていたからです
こんにちは。アルファ・アドバイザーズCOOの坂下絵美です。
私は東京大学の薬学部から大学院薬学系研究科で海馬の神経回路を研究し、その後コロンビア大学教育大学院で臨床心理学を研究してきました。今はアルファで、受験・海外進学・キャリアの個別指導を毎日しています。アルファは18年間で累計8万名以上をサポートしてきました。
いま、私のところに毎日届いている相談があります。柳井正財団の予約型、笹川奨学金の秋期で、書類選考を通過できなかった方からのものです。
今日はその中でも典型的なご相談を、ご本人の学校・活動・エッセイのテーマを大きく変えたうえで、質問と回答の構造だけを残して記事にします。落ちた理由を、書き方のテクニックではなく、書いているときにあなたの脳と心に何が起きていたかというところまで掘ります。
読み終わるころには、「なるほど、だから落ちたのか」と、腹の底で分かるはずです。そして、12月に来る柳井「合格型」と笹川「春期」で何をすればいいかも、はっきりします。
ご相談(一部改変)
高校3年生です。柳井正財団の予約型に学校推薦で応募しましたが、書類選考で落ちました。笹川奨学金の秋期も、面接に呼ばれませんでした。
スコアはTOEFL 5.5、SAT 1420、GPAは4.0換算で3.8です。課外活動は模擬国連と、地域の子ども食堂のボランティアを2年続けました。志望分野は環境政策です。
エッセイは何度も書き直しました。学校の先生にも、留学カウンセラーの方にも読んでもらい、「よく書けている」「これなら大丈夫」と言われました。母にも毎回読んでもらい、一緒に直しました。財団が求めていることは調べ尽くしたつもりで、「日本社会に貢献する」という視点も入れました。
それでも落ちました。何がいけなかったのか、自分では本当に分かりません。文章力の問題でしょうか。それとも、スコアや活動の実績が足りなかったのでしょうか。もう海外大学は諦めたほうがいいのでしょうか。
回答:落ちた原因は、文章力でもスコアでもありません
先に結論を言います。
あなたが落ちたのは、文章力が低いからでも、活動が地味だからでもありません。エッセイを書いているあいだ、あなたの脳が「自分を掘るモード」ではなく「正解を探すモード」に入っていたからです。
そして残酷なことに、正解探しモードで書かれた文章は、たいてい「よく書けている」と褒められます。読みやすく、整っていて、破綻がないからです。褒められるので、本人は仕上がったと思う。財団はそれを落とす。この食い違いが、いま起きていることの正体です。
もっと言うと、あなたのご相談文の中に、落ちた理由がすでに3つ書かれています。
ひとつ、「よく書けている、これなら大丈夫と言われた」。
ふたつ、「母にも毎回読んでもらい、一緒に直した」。
みっつ、「財団が求めていることは調べ尽くした」。
この3つは、どれも真面目で正しい努力です。だからこそ、たちが悪い。順番に、脳と心のレベルで説明します。
理由1:脳は「受かりたい」と思った瞬間、探すのをやめて、拾いに行く
人の脳には、報酬を予測して行動を選ぶ仕組みがあります。ここで大事なのは、脳には大きく2つのモードがあることです。
ひとつは「探索」。まだ答えの分からない場所を、コストをかけて掘りにいくモード。
もうひとつは「活用」。すでに正解だと分かっているものを、確実に拾いにいくモード。
これは、初めての街でレストランを探すときの感覚に似ています。時間もお腹の余裕もあるときは、路地裏の知らない店を覗きに行けます。でも「絶対に失敗できない」と思った瞬間、人はレビュー4.5の有名店に行きます。脳が探索を切って、活用に振り切るからです。
奨学金のエッセイで、まったく同じことが起きます。
「絶対に受かりたい」と思った瞬間、脳は報酬を最短で取りにいこうとします。すると、まだ言葉になっていない自分の中の曖昧なもの(探索が必要で、しかも掘っても外れるかもしれないもの)ではなく、すでに世の中で正解とされている言い回しを拾いに行くのです。
「グローバルな視点を身につけたい」
「多様な価値観に触れ、視野を広げたい」
「学んだことを日本社会に還元したい」
これらは、間違ってはいません。むしろ財団のメッセージに合っています。だから本人は「合っている」と思って安心する。ところが審査員から見ると、その年の何百通に同じ文が並んでいる。あなたの言葉ではなく、みんなの言葉だからです。
ここが恐ろしいところです。正解探しモードは、書いている本人には「よく調べて、財団に合わせて、丁寧に書いている」という自己評価として体験されます。手抜きの実感がまったくない。だから、自力では気づけません。
そして「財団が求めていることを調べ尽くした」という一文は、その状態を、あなた自身が正直に報告してくれた言葉なのです。
理由2:親の視線が入ると、脳は「自分の記憶」ではなく「立派な型」を出力する
もうひとつが、「母にも毎回読んでもらい、一緒に直した」です。
誤解しないでください。ご家族が関わること自体は悪くありません。問題は、読まれる前提で書くと、脳の使う回路が変わってしまうことです。
他人に評価される可能性がある状況では、社会的な評価を処理する回路と、不安や警戒に関わる扁桃体のはたらきが前に出ます。人前でスピーチをするときに、頭が真っ白になって、当たり障りのない一般論しか出てこなくなる感覚。あれと同じことが、原稿用紙の上で静かに起きます。
さらに海外大学や奨学金の準備では、独特の力が働きます。多くの高校生が、「これは自分の評価であると同時に、親の評価でもある」と感じているということです。うちの家庭はきちんと育てているか。この子はちゃんとした子か。そう見られることへの緊張が、無意識に入る。
すると、書くものはこうなります。
社会課題に関心があり、努力家で、視野が広く、感謝を忘れない。
弱さは見せない。迷いは書かない。恥ずかしい動機は削る。
これが「いいことが書いてあるのに、誰も残らないエッセイ」の正体です。財団が読みたいのは、立派に整えられた人物像ではありません。あなたがどこで詰まり、何に苛立ち、どこで考えが変わったかという、生々しい運動のほうです。
もうひとつ言うと、財団の設問はそもそも、この防御を破りにきています。「世の中で当たり前とされていることで、変えるべきだと感じること」も、「考えが揺さぶられた経験」も、優等生の自分を脱がないと絶対に書けない設問です。防御したまま書けば、答えは評論と感想文になります。これが、書類で落ちる典型パターンとして毎年繰り返されています。
理由3:自分の一番いい素材は、一人では思い出せない。脳の作りがそうなっている
ここが、今日いちばん伝えたいところです。
「自分では本当に分かりません」と書いてくださいましたね。これは、あなたの内省が足りないからではありません。人間の記憶の仕組み上、当然そうなるのです。
私たちの記憶は、大きく2種類あります。
ひとつは、意味記憶。「私は環境問題に関心がある」「私は継続力がある」といった、要約された知識としての自分。
もうひとつは、エピソード記憶。「中2の夏、あの場所で、あの人にこう言われて、自分は黙るしかなかった」という、場面としての自分。
エッセイで人の心を動かすのは、100%後者です。ところが、机に向かって「自分について書こう」とすると、まず出てくるのは前者です。要約された自分。つまり、他の誰とでも入れ替え可能なあなたです。
エピソード記憶には性質があります。手がかり(きっかけになる問い)がないと、引き出しから出てこない。海馬は、鍵のかかった倉庫ではなく、鍵穴の形が合う質問だけが開けられる倉庫のようなものです。だから、匂いや音でふっと昔の場面を思い出すことはあっても、「思い出そう」と念じて出てくることは少ないのです。
ここから、シンプルで重要な結論が出ます。
自分の一番いい素材は、自分では掘れない。
一人で唸っている時間は、記憶を掘っているのではなく、要約された自分を並べ替えているだけの時間になりがちです。必要なのは、鍵穴に合う問いを、外から何度も差し込まれること。
「そのとき、実際には何と言ったんですか」
「なぜそこで黙ったんですか」
「なぜそれが嫌だったんですか」
「その嫌さは、前にもどこかで感じたことがありますか」
アルファが「なぜのなぜ」を最重要にしているのは、精神論ではありません。そうしないと、あなたの中の一番いい素材が物理的に出てこないからです。私たちが代筆をしないのも同じ理由です。書くのはあなたです。私たちは、鍵を開けにいきます。
ここで、少し痛いことを言います
学校の先生も、カウンセラーの方も、お母さまも、「よく書けている」と言いました。
そのとき、あなたの中に、ほんの少しだけ「本当かな」という感覚はありませんでしたか。
多くの生徒が、後から正直に教えてくれます。実は分かっていた、と。自分の書いたものが、自分の芯に届いていないことを、うすうす感じていた。でも、褒められたので、その違和感に蓋をした。締切も迫っていた。
これは弱さではありません。人は、不安なときほど、確認してくれる言葉のほうを信じます。ごく自然な反応です。
ただ、ここから先に進む人は、その違和感を拾い直します。違和感は、あなたの脳が出していた正しい信号だったからです。
もうひとつ。他の人の志望動機を聞いて、「なんか薄いな」「テンプレっぽいな」と思ったことはありませんか。友達の面接練習を見て、そう感じたことは。
他人のそれは、よく見えるのです。自分のは見えない。人は、自分の中にあるものにこそ、他人の中で敏感に反応します。他人の薄さに気づけたということは、あなたには薄さを見抜く目がすでにあるということです。あとは、それを自分の原稿に向けるだけ。ただし、そのために外からの問いが要る。ここまで読んでくださった方には、もう理由が分かるはずです。
だから、面接ではもっとはっきり見抜かれます
大事な事実をお伝えします。柳井も笹川も、面接を通って初めて合格です。書類が通るのはスタートラインに立っただけ。
そして面接では、書類の一段下が見られます。エッセイに書いたことに「なぜ?」を二段、三段と掘られる。「なぜその大学か」「なぜその専攻か」「日本と世界に何を返すのか」。柳井の面接は英語での受け答えを含みます。
正解探しモードで作った内容は、ここで必ず割れます。拾ってきた言葉には、その下がないからです。一段目は答えられる。二段目で薄くなる。三段目で止まる。面接官は、数問でそれを見抜きます。
つまり、書類を直すだけでは足りないのです。ここが、今日いちばん実務的に重要な点です。
書類は、伴走すれば1か月で形になります。でも、その場で考えて答える力(私たちはこれをデリバリーと呼んでいます)は、1か月では作れません。考える力は筋肉と同じで、負荷をかけて考えた回数でしか育ちません。1週間で答えを覚えることはできても、1週間で頭は変わらない。
だから、9月から合格型の面接までの半年を、「書類を書く期間」ではなく「頭と人物を鍛える期間」として使ってください。
諦める必要はまったくありません。枠の半分は、まだ残っています
ここからが本題です。
柳井正財団は毎年、予約型で20名程度、そして12月頃に募集が始まる合格型で20名程度を採用します。予約型の選考結果にかかわらず、合格型に応募できます。つまり、枠の半分は手つかずで残っています。
笹川奨学金にも春期があります(2027年4月上旬の締切見込み)。
ただし、ルールが違います。
柳井の合格型は、学校推薦が不要です。代わりに、「指定校に合格したこと」が、あなたの学力と資質の最大の証拠になります。そして重要なのが締切の順番です。応募(エッセイ提出)は1月20日頃に締まり、合格した大学の登録は4月上旬まで。つまり「合格してから応募しよう」では、応募自体が終わっています。先に出して、後から合格を登録するのです。
面接は2つの波に分かれます。11月1日のED・EA・REAで12月中旬に合格を取った人は、1月下旬の面接へ。RD組は3月下旬の合格を登録して、4月上旬の面接へ。
笹川の春期は、指定大学に合格し進学先が確定した人だけが応募できます。しかも、秋期に応募して面接に呼ばれなかった人は再審査の対象になりますが、学業成績と英語スコア以外は変更できません。つまり、秋期で落ちた人の春期は、エッセイの書き直しでは戦えない。戦えるのは、どの指定校に受かるか、GPAと英語スコアをどこまで上げるか、の2点だけです。
ここまで読んで気づいていただけたと思います。この先の奨学金の勝負は、奨学金の書類だけでは決まりません。どの大学に、どの方式で、いつ合格するか。出願戦略そのものが、奨学金戦略になります。
今日から半年でやること
1. 落ちた書類を、捨てずに開く
落ちた原稿を見返すのは、正直しんどいです。
痛みを避けたい脳の反応として、当然です。でも、あの原稿はあなたの弱点が全部写っている、いちばん価値のある資料です。開いてください。一人で開くのがつらければ、そのまま持ってきてください。
2. エッセイをゼロから書き直す(ただし一人でやらない)
同じ書類を出せば、同じ結果になります。合格型では「合格した大学で、その専攻で、何をするか」まで具体化できるので、予約型より格段に強い原稿が作れます。ただし、正解探しモードのまま書き直せば、整った文章がもう一本増えるだけです。問いを外から入れてください。
3. 出願校リストを組み直す
柳井55校+合格型のカナダ3校、笹川46校、重なりは45校。ここに、合格可能性と、大学自身の給付援助の有無を掛け合わせて設計します。11月1日のED・EA・REAは、単に早く結果が出る制度ではなく、奨学金の入場券を最初に取りにいく戦いです。ただしEDは合格したら進学する拘束型なので、ご家庭の家計と必ず照らして決めます。ここは自己判断が最も危険なところです。
4. スコアを一段上げる
合格型の応募は12月から1月。10月・11月・12月のSAT、そしてTOEFL・IELTSで、まだ上積みできます。TOEFL 90、SAT 1400は「応募できる線」であって「選ばれる線」ではありません。予約型でボーダーだった人ほど、ここで差がつきます。
5. 週1回、頭に負荷をかける
自分のエッセイの主張に「なぜ?」を五段ぶつけて、答えを書く。専攻分野の時事や本について、日本語と英語で3分話す。読んだものについて、何が新しくて、何に納得できないかを言葉にする。これを半年続けた人と、1月に模擬面接を2回した人では、面接での厚みが別物になります。
アルファジーニアスが、何をするのか
多くの塾や留学エージェントは、大学出願と奨学金を別々に扱います。エッセイは英語塾、奨学金は自分で、スコアは予備校。これでは、いま書いた5つは絶対に回りません。
アルファでは、次のすべてを一つのチームで完結させます。
出願×奨学金のセット設計。 合格可能性、柳井指定、笹川指定、大学自身の給付援助の4軸で出願校を組み、ED・ED2・EA・REA・RD・UCAS・カナダの出し方まで決めます。ご家庭の家計と照らしたED判断も一緒に行います。奨学金は出願とセットで設計した人が圧勝します。
エッセイの壁打ち個別指導。 代筆はしません。問いを投げ、あなたの中から言葉を引き出し、あなたが書きます。柳井の日本語3本と要約100字、笹川の小論文、Common Appのパーソナルエッセイ、各校のサプルメントを、同じ人物像で貫くように設計します。
半年の思考・応答トレーニング。 「なぜのなぜ」を何段も掘り、日本語でも英語でも、その場で考えて答える練習を積みます。模擬面接は仕上げであって、土台はここで作ります。
SAT・TOEFL・IELTSの特訓。 私がチューニングしたAI「アルファ特訓」と個別指導で、合格型の応募前にスコアを引き上げます。
教育戦略アドバイザリー。 高1・高2の方には、科目・成績・課外活動・スコア・進路を含めた全体設計から伴走します。来年の予約型で内定を取れば、大学出願は「奨学金が確定した状態」で進められます。これが最も強い形です。
保護者サポート。 課税証明書、海外駐在の年収証明など最終面接前に必要な書類の準備と、ED判断をご一緒に。
アルファジーニアスの生徒は、今年も柳井の予約型で一次面接に招聘され、笹川でも面接に進んでいます。これまでに柳井正財団奨学生・笹川奨学生を輩出し、ハーバード、スタンフォード、コロンビア、ペンシルベニア、UCバークレー、オックスフォード、ケンブリッジなどへ送り出してきました。
最後に
「もう海外大学は諦めたほうがいいのでしょうか」と書いてくださいました。
答えははっきりしています。諦める理由が、ひとつもありません。あなたが落ちたのは、能力ではなく、書くときの脳の置かれ方でした。それは、変えられます。しかも、変え方が分かっています。
そして、これは私の実感でもあります。人の脳は、何歳からでも変わります。ただし、勝手には変わりません。負荷をかけて考えた回数だけ変わります。だから今日から始める人が、12月に始める人を必ず抜きます。
合格型で受かるのは、12月に準備を始めた人ではなく、9月に始めた人です。
まずは無料相談へお越しください。
いただきたいのは、次の4点だけです。
落ちた原稿を一緒に開いて、9つのどのパターンで落ちたのかを、その場で診断します。そして、あなたの中にまだ言葉になっていない一番いい素材を、一緒に掘り出しましょう!
今すぐアルファに相談だ!
アルファジーニアス https://genius.alpha-academy.com/
坂下絵美(アルファ・アドバイザーズCOO)
女子学院→東京大学薬学部→同大学院薬学系研究科 薬科学専攻 修士課程修了(薬品作用学教室・海馬の神経回路研究、査読論文共著)→コロンビア大学教育大学院にて臨床心理学を研究。アルファ・アドバイザーズCOO(2020年〜)。アルファは18年間で累計8万名以上をサポート。