【東大70年ぶりの新学部】価値創造学部(UTokyo College of Design)に向いている人・向いていない人。"あえてCoD"で最強になる条件をぶっちゃけます

Emi Sakashita
α事務局

【東大70年ぶりの新学部】価値創造学部(UTokyo College of Design)に向いている人・向いていない人。"あえてCoD"で最強になる条件をぶっちゃけます

2026年8月28日、文部科学省が公表した2027年度の国立大学入学定員(予定)に、東京大学「価値創造学部」の新設が正式に掲載されました。UTokyo College of Design(CoD)の日本語名称が「価値創造学部」だと判明し、SNSでは「他の学部は価値を創造していないのか」「略称はどうするのか」と、ネーミング談義で盛り上がっています。

でも、名前の話で終わらせるのは本当にもったいない。東大の学部新設は、1958年の薬学部以来、約70年ぶりです。実は私はその薬学部の出身で、大学院でも東大の研究室で研究をしていました。だから今日は、東大の「中の水準」を知る人間として、そして18年間・累計8万名以上の受験〜就活〜キャリアを見てきたアルファとして、誰に向いていて、誰に向いていないのか、そして出願に何が必要で、勉強はどこまでやればいいのかまで、まとめてぶっちゃけて書きます。

先に結論です。

  • 純粋に「海外に行きたい」人には向きません。海外大学に行ってください。(奨学金全額とかプリンストン、アマースト、イエール等150万円で海外有名大学、また財団で全額奨学金もあります)
  • 「英語で学べるから東大」も、動機として成立しません(ただし、英語が日本語より得意な帰国生と、東大に行きたかった世界中の学生には朗報です)。
  • 「日本で働きたい外国人・留学生」には、日本で最強クラスの選択肢です。
  • 本気で東大に行きたいあなたは、大歓迎です。「一般入試がムリだからCoDに行ったんだな」と見られない設計ができれば、逆に最強になれます。東大卒の私が、全力で応援します。

そしてもし高校3年生のあなたが見ていたら急いでください。初回の出願は2026年10月15日に始まり、締切は11月5日。もう目の前です!

順番に説明します。

2026/09/01 12:41:15
Emi Sakashita
α事務局

そもそも「価値創造学部(UTokyo College of Design)」とは?【1分でおさらい】

まず事実を整理します。

  • 定員100名(価値創造学科)。2027年9月開設予定
  • 授業はすべて英語。秋入学で、国内外から学生を受け入れる
  • 入試は2枠。大学入学共通テストを使うRoute Aが50名、IB(国際バカロレア)・SATなど東大指定の試験・資格を使うRoute Bが50名
  • 学士+修士を一貫で設計した5年制プログラム。入学時からCoD専用のカリキュラムに入る(いわゆる「進振り」はなし)
  • 4年次には、全員が国内外の企業・国際機関などで約半年間の長期インターンシップを行う。賛同企業はすでに約60社にのぼると報じられています
  • 人文・社会科学、自然科学、工学などの学術知に「デザイン」を掛け合わせ、社会課題の解決と新しい価値の創出に取り組む
  • 求める人物像として、知力と学習能力、英語力を含むコミュニケーション能力、論理的・創造的思考力、責任感・社会正義感・包摂性、自主性・協調性が掲げられている
  • 1年次は寮での共同生活が想定されていると報じられています

あわせて既存学部の定員も再編されます。減るのは文学部(-53人)、農学部(-40人)、医学部(-14人)、経済学部(-12人)、法学部(-6人)、教育学部(-1人)。増えるのは教養学部(+14人)、工学部(+10人)。東大全体では3063人から3061人へ。つまり、既存学部あわせて約100人分を削って、CoDの100名を捻出した構図です。東大が本気でリソースを寄せている学部だということ。そして前期の科類募集はその分絞られる方向なので、2027年度の一般入試はいつも以上にタイトになる見込みです。ここは受験生全員が押さえておくべきポイントです。

出願に必要なもの【2027年度・完全整理】

「で、実際何を出すの?」を全部まとめます。公式の選抜概要(2026年7月更新版)ベースです。

スケジュール
- 出願期間:2026年10月15日(木)9時〜11月5日(木)17時(日本時間)
- ビデオ課題の録画・提出:2026年11月13日〜16日(出願システム上で実施)
- Route B:第1段階選抜(書類)の合格発表が2026年12月22日、オンライン面接(英語・約30分)が2027年1月13日〜22日のうち1日
- Route A:2027年1月の共通テスト受験→第1段階合格発表2月10日→駒場キャンパスで対面選考(個人面接を含む・終日・英語および日本語)が2月15日または16日
- 最終合格発表:Route A・B共通で2027年2月20日

Route A(50名)の学力要件
2027年1月実施の共通テストで、東大が指定する科目の受験が必須です。国語200点・数学(ⅠA+ⅡBC)200点・英語200点(リーディング100+リスニング100)を軸に、地歴公民、理科、情報Ⅰまで含む6〜7教科8科目。つまり、東大一般組とほぼ同じフルセットです。しかも公式に「概ね8割以上の得点が目安」と明記されています。

Route B(50名)の学力要件
SAT・ACT・IBなど、東大が指定する統一試験・資格のうち一つの成績提出が必須。IBは合計40点前後が目安と報じられている水準です。最終スコアが間に合わない場合は公式の予想成績(predicted scores)で出願でき、その場合は条件付き合格の扱いになります。

Route A・B共通:英語資格
東大指定の英語能力検定試験の結果提出が必須(2025年1月1日以降の受験分のみ有効)。出願時の期待スコアの目安は、TOEFL iBT 80超、IELTS 6.0超、Duolingo 110超、英検準1級・1級でCSE2400超、ケンブリッジ英検169超。なおRoute Bに限り、高校卒業から遡って4年間のうち3年以上「全授業が英語」の課程で教育を受けている(見込み含む)場合は提出免除です(バイリンガル教育は対象外)。

提出書類
- エッセイ(英語)
- ビデオ課題(英語)
- 評価書(先生など、あなたの学習能力を評価できる人が書くもの)
- 調査書(Route A)/成績証明書(Route B)、Route Bは卒業(見込)証明書も
- 統一試験・英語資格の結果
- 課外活動や学習成果の説明文3件(英語・各100語以内)+それぞれを証明する資料1点
- 学校要覧(任意・提出推奨)

そして最重要の注意点。東大の一般選抜(前期)・外国学校卒業学生特別選考・学校推薦型選抜とは、併願できません。 CoDに出すなら、その年の東大一般は出せない。ここで覚悟が問われます(早慶や海外大学など他大学との併願は、CoD側としては制限なしです)。

ここまで読んで分かる通り、これは「書類をそろえれば出せる入試」ではありません。エッセイ、100語×3の活動説明、ビデオ、面接。すべてが「あなたは何者か」を語る1つの作品として審査されます。要件を満たすことと、受かることは、まったく別の話です。

2026/09/01 12:41:27
Emi Sakashita
α事務局

ぶっちゃけ、CoDに「向いていない」人

①純粋に海外に行きたい人・本物の国際環境がほしい人

「すべて英語」「学生の半分は世界から」と聞くと、"日本にいながら留学"に見えます。でも冷静に考えてください。場所は本郷です。生活の土台は日本です。

しかも5年一貫でカリキュラムがみっちり設計されていて、4年次は半年間のインターン。一般の学部生のように「1年間の交換留学」をがっつり組み込む余地は、現時点の公開情報を見るかぎり、ほぼ見当たりません。

「英語で授業を受けること」と、「世界の中で生活し、多様な価値観に揉まれて自分を作り直すこと」は、まったくの別物です。後者がほしいなら、答えはシンプル。海外大学に行ってください。 日本の高校にいながらでも、海外トップ大学は狙えます。アルファは毎年その合格を出しています。これは、東大を出た私だから言い切れることです。CoDは「海外大+東大を到達点に置いたうえで、余力があればがっつり見る」。これが私の基本スタンスです。

②「英語で学べるから東大」という理由の人

最近、本当に増えている志望動機です。「東大に英語で入れるから」。残念ながら、これは動機として成立しません。

まず現実として、東大はキャンパスも学生もほぼ日本人で、日常は日本語です。先生方は世界レベルの研究者ですが、多くは日本語で教えるほうが得意です。CoDの教室の中だけ英語でも、その外に広がる東大は日本語の世界。「英語で学ぶ環境」そのものが欲しいなら、それは海外大学の領分です。

そして、公式の打ち出しをよく見てほしいのです。東大自身は「英語で東大に入れます!」というセールスを、一度もしていません。 公式サイトの説明は、授業をすべて英語で行うのは「世界中から意欲ある多様な学生が集まる場所」を目指すため。つまり英語は、世界から人材を集めるための手段であって、日本人受験生向けのお得ポイントではないのです。「英語で東大!」と騒いでいるのは、CoDをよく分かっていない受験業者の宣伝文句だけです。

ただし、例外が2つあります。もともと英語が日本語より得意な帰国生・インター生。そして、東大に行きたかったのに言語の壁で諦めていた世界中の学生。この人たちにとっては、正真正銘の朗報です。「向いている人」の章で詳しく書きます。

③「学費が安いから東大」で思考が止まっている人

「海外は学費が高いから東大」。よく聞きますし、気持ちは分かります。でも、本当にお金"だけ"の問題なら、その前提はもう崩れています。

柳井正財団、笹川平和財団、グルー・バンクロフト基金などの給付型奨学金。さらに米国トップ大学のneed-based aid(家計基準の学費支援)。これらを使えば、学費全額=実質無料で海外トップ大学に行くルートが現実にあります。 アルファからも毎年、奨学金つきの圧勝合格者が出ています。

「学費だから東大一択」は、選択肢を知らないだけかもしれません。学費や偏差値という"他人の物差し"ではなく、自分が何をやりたいかで進路を並べ直す。そこまでやって初めて、CoDか、東大一般か、海外大学かをフラットに選べます。アルファに来ていただければ、あなたにぴったりの学校は必ず見つかります。

④「憧れ」と「夢」と「活動リスト」で出願しようとしている人

これは毎日のように相談で見るパターンです。「社会課題に興味があります」「グローバルに活躍したいです」「こんな活動をしてきました」。全部並べても、それだけでは通りません。

なぜか。CoDの書類と面接を審査するのは東大教授、つまり現役の研究者だからです。

私は東大の研究室で修士まで研究をしてきました。東大の先生たちが人を見る基準は、「いい話かどうか」ではありません。「ロジックが通っているか」「本当に自分の頭で考えているか」です。志望理由に「なぜ?」を重ねられたとき、憧れベースの回答は2〜3回で止まります。それはエッセイの段階で透けて見えますし、面接では確実に分かります。

しかも、課外活動は「各100語以内×3件+証明資料」という形式です。100語しかないからこそ、何を選び、どう語り、全体で何者だと伝えるか。並べるだけの人と、設計できる人の差が、残酷なほど出ます。

ちなみに、憧れの「良いこと」を書いてしまうのは、意志が弱いからではなく脳の仕組みです。受かりたいと思うほど脳は"正解っぽい答え"を探しに行き、親に読まれると思うほど"立派なこと"を書いてしまう。だから、自分ひとりで掘り切るのはほぼ不可能なのです。

CoDに「向いている」人

①日本で働きたい外国人・留学生【実は最有力ターゲット】

はっきり言います。CoDがいちばん刺さるのはこの層だと私は見ています。

考えてみてください。東大の学位が英語で取れて、日本に4〜5年住み、4年次には国内外の企業・国際機関で約半年間の実務インターンがカリキュラムに組み込まれている。 賛同企業はすでに約60社と報じられています。つまり、日本の有名企業やベンチャーで「働いた実績」を、学生のうちに公式ルートで作れるのです。

海外の学生が日本企業への就職で苦労するのは、①日本語、②日本の就活の"型"を知らない、③日本での実務経験がない、の3点です。CoDはこのうち②③をかなり埋めてくれます。しかも「東大」ブランドは日本企業に対して絶大です。これまで言語の壁で東大を諦めていた世界中の学生にとって、ここまで設計された入口は、初めてです。

正直に言えば、東大側の狙いも「世界から優秀な学生を日本に呼ぶこと」にかなりの重心があると私は見ています。だからこそ、この層との相性が最も良い。残る①の日本語と、日本の就活での勝ち方は、アルファが出願段階から一緒に設計できます。

②あえてCoDを選ぶ「攻め」の日本人受験生

実際、アルファへの相談で増えているのがこの層です。東大合格者を毎年多数出す中高一貫校の生徒が、一般入試でも狙える学力を持ちながら「あえてCoDを受けたい」と言ってくる。インター生、海外現地校生、IB生。ICU・早稲田SILS・慶應PEARL/GIGA・上智SPSFなどの国際系学部との併願を考えている層。

特に、英語のほうが日本語より得意な帰国生・インター生にとって、CoDは「入試も授業も、自分の得意な言語で東大に挑める」初めてのルートです。国語や日本語の小論文で削られてきた人が、英語のエッセイと面接で正面から勝負できる。これは大きい。

共通点は、「英語×社会課題×実務」というCoDの設計に自分のやりたいことが重なっていて、学力の裏付けも出せることです。この条件がそろう人にとって、CoDは「逃げ」ではなく「攻め」の選択になります。

③事情があって海外4年は難しいが、英語で学び、国際環境の入口に立ちたい人

家庭の事情などで海外進学が現実的でない人にとって、CoDは貴重な選択肢です。ただし条件があります。この後の「設計」ができること。これがないままCoDに入ると、5年後に苦しくなります。

「東大に行きたい!」というあなたへ:勉強はどこまでやれば戦えるのか

ここで、東大を本気で目指すあなたに伝えたいことがあります。

私は海外進学を強く勧める立場ですが、それは東大を下に見ているからではありません。むしろ逆です。東大の知の深さは、本物です。 私は薬学部から大学院まで東大の中にいて、世界レベルの研究者たちの思考の水準と、膨大な受験勉強を勝ち抜いてきた仲間と鍛え合う環境の価値を、身をもって知っています。あの知的密度は、日本ではあそこにしかない。CoDは、その東大の学術知に「英語×デザイン×実務」で正面からアクセスできる、新しい扉です。だから、東大に行きたいなら、堂々と狙ってください。

ただし、水準は知っておいてください。

Route Aなら、共通テスト6〜7教科8科目で概ね8割。 これは東大一般組と同じ土俵の勉強です。国語も数学ⅡBCも理科も情報Ⅰも、全部やる。「総合型だから勉強は軽い」は完全な誤解で、むしろ一般組と同じ勉強に、英語の書類・ビデオ・面接が上乗せされる入試です。実際、相談に来る高3生を見ていると、書類に気を取られて共通テストが間に合っていない人が本当に多い。

英語は、出願最低ラインがIELTS 6.0超・TOEFL iBT 80超。 でも勘違いしないでください。これは「出願できる」ラインであって、「戦える」ラインではありません。全授業が英語で、東大教授と英語で議論しながら5年間学ぶ学部です。私の指導目安は、IELTS 7.0以上(TOEFL 100レベル)を高2のうちに。6.0で「英語はクリアした」と思っている人は、まだ土俵の入口に立っただけです。

Route Bなら、IBで40点前後、SAT・ACTも相応の高水準。 学校の成績(GPA)も評価書も見られます。

厳しく聞こえたでしょうか。でも、これは朗報でもあるのです。CoDは、学力を正面から評価してくれる総合型です。積み上げてきた人が、正当に報われる設計になっている。東大に入る最大の価値のひとつは、その水準の仲間と5年間鍛え合えることなのですから、入口で水準が問われるのは当然です。

高1・高2のあなたは、いま始めれば圧勝ラインまで間に合います。高3のあなたは、残り時間で「何を捨て、何で勝つか」の設計が全てです。どちらも、まず現在地を一緒に確認しましょう。

卒業後の進路はどうなる?「一般がムリだからCoD」と思われない人だけが最強になれる

ここが今日いちばん伝えたい話です。

CoDは2027年開設。卒業実績はゼロです。企業の採用担当も、CoD卒が何者なのか、まだ誰も知りません。これはリスクであると同時に、最大のチャンスです。

知っておいてほしいのは、これまで東大生が就活で持っていた最初のバリューは「頭がいい」という証明だった、ということです。あの一般入試を突破したという事実そのものが、思考力の一次証明になっていた。CoDは一般入試を経ません。だから、何も設計しないまま卒業すると、「一般がムリだったからCoDに行ったんだな」と見られる可能性が、正直あります。

逆に言えば、次の4つがそろっている人は、既存の東大生が持っていない武器を持つ、最強の人材になれます。

  • 頭脳・思考力:「なぜ?」を重ねられても崩れないロジック。東大教授の審査を通ること自体が一次証明になる
  • 課題意識:誰かに与えられたテーマではなく、自分の問いを持っていること
  • 当事者意識と実績:その問いに対して、実際に自分で動いてきた事実。4年次の半年インターンはその集大成になる
  • 一貫性:出願エッセイ→学部での学び→インターン→就活の面接まで、「この人は何をしてきた人か」が一本の線でつながっていること

就活の面接官が見るのは、まさにこの一貫性です。「一般でも戦える力があったうえで、やりたいことのためにあえてCoDを選び、5年間それを証明し続けた」。ここまで語れる人は、東大一般組より強い。英語での5年間、半年の実務経験、修士までの一貫した専門性。全部、既存の東大生が持っていないものです。

私たちはゴールドマン・サックス、マッキンゼー、三菱商事、Googleといった出口まで毎年受講生を見送っているので、断言します。この逆算は、入学後ではなく、出願の時点から始まっています。

2026/09/01 12:41:35

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