東大が既存学部から100人削って作る「価値創造学部」。2027年の東大入試はこう変わる(カレッジオブデザイン)

Emi Sakashita
α事務局

東大が既存学部から100人削って作る「価値創造学部」。2027年の東大入試はこう変わる

2026年8月28日、文部科学省が公表した2027年度の国立大学入学定員(予定)に、東京大学「価値創造学部」の新設が正式に掲載されました。UTokyo College of Design(CoD)の日本語名称です。

東大の学部新設は、1958年の薬学部以来、約70年ぶりです。ちなみに実は私はその薬学部の出身で、大学院も東大の研究室で過ごしました。

Xでは、名前の話、既存学部の定員を削る話、一般入試を経ない選抜の話と、賛否が大きく分かれています。どれも論点としては分かります。ただ、この記事は制度の是非を論じる記事ではありません。受験生と、いまの東大生にとって「何が変わるのか」「どう動けばいいのか」だけを、東大の中の水準を知る人間として、そして18年間・累計8万名以上の受験〜就活〜キャリアを見てきたアルファとして、ぶっちゃけて書きます。

先に結論です。

・2027年の東大入試は、一般入試の門が狭くなり、共通テストの重みが変わり、IB・SAT組に初めて入口が開きます。CoDを受けない人にも関係があります。
・CoDは「入ってから考える」ができない学部です。出願の時点で、自分の問いが要ります。
・純粋に国際環境がほしい人は海外大学へ。日本で働きたい外国人・留学生には最強クラスの選択肢。日本人受験生は「一般入試がムリだからCoD」と見られない設計ができる人だけが、最強になります。
・そして一般入試で入る東大生も、この学部が突きつける問いに答えられる解像度を持てば、就活で圧勝できます。

順番に説明します。

数字で見る「100人削って、100人作る」

まず事実です。既存学部の定員は次のように再編されます。

減るのは、文学部(-53人)、農学部(-40人)、医学部(-14人)、経済学部(-12人)、法学部(-6人)、教育学部(-1人)。
増えるのは、教養学部(+14人)、工学部(+10人)。
東大全体では3063人から3061人へ。

つまり、既存学部あわせて約100人分を削り、それをそのまま価値創造学部の100名に充てた構図です。東大が本気でリソースを寄せている学部だということです。

「削られる学部は軽んじられているのか」という声もありますが、中にいた感覚は少し違います。進振りで学部を選ぶとき、本気で学問をやりたくて農学部や文学部を選ぶ人がいる一方で、実験がない、就活に時間を割ける、自分の科類から行きやすい、といった理由でなんとなく選ぶ人も一定数います。学部がなくなるわけではなく、本気の人は進振りを頑張るので、当事者の実害は小さいと思います(良い気持ちがしない人がいるのは、とてもよく分かります)。

今回の変更を弁護するわけではありませんがこれで少しは真面目に(?)進振り頑張ろうと思ったり、学問で自分が何について学びたいか、向き合う東大生が増える、、なんていう功罪もあるでしょうか。まあテストの点数はシケ隊とかシケプリなんていうハックがあるわけですが、それでも「成績をきちんと取る」これは就活でも大事ですよ!

まあ「きちんとしている」(きちんとしていないと気持ち悪い)というTidyなひとが外銀、外資金融はやはり多いのですよ。余談ですが大学でも遊んでもいいですが成績はしっかり取っておきましょう。そうすれば進振り云々、ということもありません。

さて、価値創造学部そのものの設計は次のとおりです。

・定員100名(価値創造学科)。2027年9月開設予定
・授業はすべて英語。秋入学で、国内外から学生を受け入れる
・入試は2枠。大学入学共通テストを使う枠が50名、IB(国際バカロレア)・SATなど東大指定の試験・資格を使う枠が50名
・学士+修士を一貫で設計した5年制。入学時からCoD専用のカリキュラムに入る(進振りはなし)
・4年次に、全員が国内外の企業・国際機関などで約半年間の長期インターンシップを行う
・学術知に「デザイン」を掛け合わせ、社会課題の解決と新しい価値の創出に取り組む
・1年次は寮での共同生活が想定されていると報じられている

2026/09/03 13:38:56
Emi Sakashita
α事務局

2027年の東大入試は、こう変わる【5つの変化】

①一般入試(前期)の募集人員は、100人減る

これは推測ではなく、公表済みの事実です。2027年度の東大入学者選抜要項では、前期日程の募集人員が2,958人から2,858人に減っています。内訳は、文科一類401→387、文科二類353→341、文科三類469→453、理科一類1,108→1,071、理科二類532→514、理科三類95→92。全科類が3%前後ずつ削られ、その100人分がそのまま価値創造学部に回った形です。

前期の募集人員が一度に100人減るのは、近年では例のない規模です。3%という数字自体は劇的ではありません。ただ、第1段階選抜(いわゆる足切り)は募集人員に対する倍率で発動し、合格者数も募集人員で決まるので、志願者数が変わらなければ足切りラインも合格ラインも、わずかに上がる方向に働きます。CoDを受けない受験生も、頭に入れておくべき変化です。

②海外大学との併願が、しやすくなる

これまで「東大一般入試」と「海外大学」の併願は、正直、両立が難しい組み合わせでした。一方は日本語で行われる共通テストと2次試験、もう一方はSAT・IB、英語エッセイ、推薦状。準備の中身が違いすぎて、どちらかが中途半端になりがちでした。

CoDのIB・SAT枠は、海外大学の出願とほぼ同じ材料で出せる東大の入口です。9月入学なので、海外大学と同じ時間軸で進路を決められる可能性も出てきます(出願・合格発表の時期は今後の要項で確定します)。「海外トップ大学を本命にしつつ、東大にもきちんと出す」という設計が、以前より現実的になりました。海外大学+東大を到達点に置くアルファの方針とも重なる変化です。ただしエッセイの問いは海外大学と同じではないので、そのまま使い回せるものではありません。

一つだけ補足します。東大の一般入試組の頭脳は、あの受験勉強でかなり鍛えられています。だから中にいた人間の感覚として、CoDで入った学生に対して「総合型で来た人たちか」という見方が出ることは、現実的にある程度あると思います。学部新設の発表だけでこれだけ議論になっているのですから。入学後の勉強面でも、周りの一般組との差を意識する場面は出てくるでしょう。だからこそ、後で書く「一般がムリだからCoD」と見られない設計が要るのです。

③IB・SAT組の入口が、30人規模のPEAKから学部入試に広がる

これまで英語で入れる東大は、教養学部英語コースPEAK(2012年開始、1学年30人ほど)だけでした。PEAKは2026年秋入学を最後に募集を停止し、その役割はCoDに引き継がれます。インター生、海外現地校生、IB生にとって極めて入りにくかった東大の入口が、定員100名の学部入試(IB・SAT等の枠50名)に広がるということです。ただし「英語で学べるから東大」は志望動機として成立しません。これは後で書きます。

④「入ってから考える」ができない学部ができる

ここが最も大きな変化だと私は見ています。東大の最大の特徴は、前期教養の2年間で幅広く学んでから進振りで学部を決められることです。入ってから考える猶予がある。CoDにはそれがありません。入学時から専用カリキュラム、5年一貫、4年次に半年のインターン。つまり、出願の時点で「何をやりたいのか」を持っていることが前提の学部です。だから選抜が書類と面接なのです。

⑤併願設計が、一気に複雑になる

併願がしやすくなる分、設計は複雑になります。CoDを考える人のほとんどは、東大一般、早慶(帰国生・AO)、ICU・SILS・PEARL・SPSFなどの国際系学部、海外大学、そして柳井・笹川などの奨学金との併願になります。共通テスト、SAT、IB、TOEFL・IELTSといった試験と、エッセイの締め切りが重なります。9月入学のCoDは一般入試とは別のタイムラインで走るので、全体を一つの戦略として組まないと、どれも中途半端になります。

価値創造学部が批判?受験生はどう受け取ればいいか

制度の是非は、これから何年も議論が続くでしょう。でも受験生の時計は止まりません。

一つ、脳の話をします。人間の脳は「得る」よりも「失う」に強く反応します。損失は同じ大きさの利益の2倍ほど重く感じる、という研究があります。「100人削る」という言葉が大きく響くのはそのためで、受験生や親御さんも、気づかないうちに制度の話に引き寄せられ、肝心の「自分はどうするのか」が後回しになりがちです。主語を「東大」から「自分」に戻した瞬間、脳は現状の説明から未来の設計に仕事を切り替えます。前頭前野が「じゃあどうする」を計算し始めるからです。また、今回の学部新設は、内部の先生方があまり情報を知らされていない、といった声もあり、新設や設計自体への懸念の声もあります。これは正しい批判として、関係者や本当にこの理不尽な改革に納得行かねえという方はぜひ徹底して追究してみるのもありかなと思っています。

そのうえで、この議論から一つだけ持ち帰ってほしいことがあります。

もし制度に納得がいかないなら、それを変えるにはどうすればいいか。
文科省に入って制度を作るのか。政治家になって予算を動かすのか。東大に残って教授になり、自分でカリキュラムを設計するのか。起業して、大学が担えない教育を自分で作るのか。

実はこの問いは、そのままCoDの出願エッセイの問いです。そして、そのくらいの気概と実力、頭脳、行動力、リーダーシップのある若者を、東大の先生たちも求めているのだと思います。「価値創造」という名前は、社会の課題に対して「作る側」に回れる人を育てる、という宣言だと私は読んでいます。

CoDに向いている人・向いていない人【1分でおさらい】

前回の記事で詳しく書いたので、ここでは要点だけ。(前回記事へのリンク)

向いていない人
・純粋に海外に行きたい人、本物の国際環境がほしい人。「純粋に国際環境が魅力です」という高3生がたくさん相談に来てくれますが、場所は本郷で、東大の大部分は日本人です。正直、英語もあまりできません。教員も日本語のほうが得意な人が大半です。「英語で学べるから東大」は志望動機になりません。海外大学に行ってください。日本の高校からでも海外トップ大学は狙えますし、アルファは毎年その合格を出しています
・「学費が安いから東大」で思考が止まっている人。柳井正財団、笹川平和財団、グルー・バンクロフト基金などの給付型奨学金と、米国トップ大学のneed-based aidを使えば、実質無料で海外トップ大学に行くルートは現実にあります
・「憧れ」と「夢」と「活動リスト」で出願しようとしている人。審査するのは東大教授、つまり現役の研究者です。見るのは「いい話かどうか」ではなく「ロジックが通っているか」「自分の頭で考えているか」。志望理由に「なぜ?」を重ねると、憧れベースの答えは2〜3回で止まります。共テ枠とIB・SAT枠は「学力の裏付けを出しなさい」というメッセージでもあり、ここが早慶AOとの決定的な違いです

向いている人
・日本で働きたい外国人・留学生。実は最有力ターゲットです。東大の学位を英語で取り、日本に4〜5年住み、日本企業や国際機関で半年の実務経験を学生のうちに作れる。日本での就職で壁になる「就活の型」と「実務経験」を、公式ルートで埋められます
・あえてCoDを選ぶ「攻め」の日本人受験生。一般入試でも狙える学力を持ちながら、「英語×社会課題×実務」という設計に自分のやりたいことが重なる人。実際にこの層の相談が増えています
・事情があって海外4年は難しいが、英語で学び、国際環境の入口に立ちたい人。ただし次の章の設計ができることが条件です

東大生の「証明」が変わる。「一般がムリだからCoD」と見られない設計を

ここが、受験生にいちばん伝えたい話です。

これまで東大生が就活で最初に持っていたバリューは、「頭がいい」という証明でした。あの一般入試を突破したという事実そのものが、思考力の一次証明になっていた。CoDはその一般入試を経ません。しかも2027年開設で卒業実績はゼロ。企業の採用担当も、CoD卒が何者なのか、まだ知りません。

何も設計せずに卒業すると、「一般がムリだったからCoDに行ったんだな」と見られる可能性は、正直あります。逆に言えば、次の4つがそろっている人は、既存の東大生が持っていない武器を持つ、最強の人材になれます。

頭脳・思考力:「なぜ?」を重ねられても崩れないロジック。東大教授の審査を通ること自体が一次証明になる
課題意識:与えられたテーマではなく、自分の問いを持っていること
当事者意識と実績:その問いに対して、実際に自分で動いてきた事実。4年次の半年インターンがその集大成になる
一貫性:出願エッセイ→学部での学び→インターン→就活の面接まで、「この人は何をしてきた人か」が一本の線でつながっていること

就活の面接官が見るのは、まさにこの一貫性です。「一般でも戦える力があったうえで、やりたいことのためにあえてCoDを選び、5年間それを証明し続けた」。ここまで語れる人は、東大一般組より強い。英語での5年間、半年の実務経験、修士までの一貫した専門性。どれも既存の東大生が持っていないものです。

私たちはゴールドマン・サックス、マッキンゼー、三菱商事、Googleといった出口まで毎年受講生を見送っているので、断言します。この逆算は入学後ではなく、出願の時点から始まっています。

2026/09/03 13:39:13
Emi Sakashita
α事務局

【一般入試の東大生にこそ読んでほしい】この学部が突きつける「問い」に、答えられますか

学部設置の背景がどうであれ、認めなければならない現状があります。東大生のグローバル要素と社会課題への意識は、正直、壊滅的でした。

毎年、東大生の就活を見ていて感じることです。「何がしたいのか」と聞かれて答えられない。海外経験がほぼない。英語で自分の考えを説明できない。社会課題を、就活用のネタとしてしか語れない。頭の良さの証明は一般入試で済んでいるのに、その先の「何のために使うのか」が空白のまま、3年生の夏を迎える。

だからこそ、CoDの新設は東大全体にとって良い機会だと私は思っています。「やりたいことを考えないといけない」という空気が、東大の中に生まれるからです。

そして、ここが大事なところです。一般入試で入った東大生も、自分の将来のゴールを「価値創造学部の問いを倒せる解像度」で定義できれば、就活で圧勝し、年収3000万超、満足できる右肩上がりの勝ち組キャリアになれます。

CoDの問いとは、たとえばこういうものです。

・あなたが解きたい課題は、誰の、どの課題か。世界か、日本か
・なぜNPOでも行政でも大企業でもなく、その方法なのか
・なぜ、あなたがやるのか
・それは、今日の選択とどうつながっているのか

これは、そのままゴールドマン・サックスやマッキンゼー、三菱商事の面接で聞かれる問いです。CoDの審査を通る解像度と、トップ企業の内定を取る解像度は、同じものなのです。

脳の話をもう一つだけ。目標の解像度が上がるほど、脳は関連する情報を優先的に拾い、判断が速くなります。逆に目標が曖昧なままだと、脳は消費エネルギーの少ない「現状維持」に流れます。カーナビに「どこかいい所」と入れても車は動かないのと同じで、行き先が具体的でなければ脳は動き出せません。年収3000万に届く人と500万で止まる人の差は、能力よりも、この行き先の解像度の差です。

アルファでCoDに圧勝できる理由

東大の「中の水準」と「出口」の両方を知っている。審査するのは東大教授=研究者です。私は東大薬学部から大学院まで、その水準を中で体感してきました。代表のTJは三菱商事→シカゴ大学MBA→ゴールドマン・サックス。「東大の先生が何を見るか」と「その先の世界のトップ企業が何を見るか」の両方から逆算できるのは、受験だけの塾にはできないことです
添削は最後の1割、9割は戦略。自己分析、ポジショニング、ストーリー戦略。活動リストを並べてきれいな英語に直すだけの出願は、CoDでは通りません
「なぜのなぜ」を東大教授レベルで詰める。ほとんどの人は2〜3段で止まります。それで普通です。99.9%の人が最初はできません。だからこそ、一緒に掘りましょう。掘り切った人だけが、エッセイでも面接でも、5年後の就活でも、一本の線で語れる人になります
併願も試験対策も、全部まとめて見られる。CoD、東大一般、早慶、海外大学、奨学金までを一つの戦略として設計し、共通テスト・SAT・TOEFL・IELTS・IBの対策もアルファ内でサポートします。エッセイはこの塾、試験はあの塾、と分ける必要はありません

こんなコースでサポート中!

・【個別指導】東大早慶受験(帰国子女/AO)・編入圧勝合格コース(30分面談+チャット指導)
・【個別指導】アイビーリーグ/リベラルアーツ/Oxbridge/NUS等海外大学圧勝合格コース(30分面談+チャット指導)

まとめ:議論より、自分の設計を

名前の是非も、定員削減の是非も、あなたの人生には1ミリも関係ありません。関係あるのは3つだけです。

①あなたは本当は、海外に行くべき人ではないのか。
②CoDを選ぶなら、「あえて選んだ」と5年後に語り切れる設計があるか。
③一般入試で行くなら、そしてすでに東大生なら、自分のゴールをCoDの問いを倒せる解像度で持てているか。

2027年9月入学ということは、最初の出願まで、もう1年ありません。追い込みで間に合わせるのではなく、圧勝したいなら、今から始めてください。

まずは無料相談へ!

以下を添えてご連絡ください。

・現在の学年・学校(インター・海外校・IBの方はその旨も。大学生の方は大学・学年)
・興味のある進路(CoD/東大一般/早慶/海外大学/併願で迷っている/在学中で就活、など)
・英語力の現在地(今はなくてOKです)
・やりたいこと・意気込み
・不安に思っていること

あなたが一番輝く進路を、一緒に設計しましょう!
Lead yourself to you will shine most.(自分を導け。あなたが最も輝く場所へ)

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坂下絵美(さかした・えみ)
女子学院→東京大学薬学部→同大学院薬学系研究科 薬科学専攻 修士課程修了(薬品作用学教室にて海馬の神経回路研究、査読論文共著)。その後コロンビア大学教育大学院にて臨床心理学を研究。アルファ・アドバイザーズCOO(2020年〜)。アルファは18年間で累計8万名以上の受験・留学・就活・キャリアをサポートしている。

2026/09/03 13:39:36

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