【ご相談】「勉強はせず英語ばかりやっています。海外進学を考えていますが、数学が弱いです。先取り学習に興味があります」
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【ご相談】「勉強はせず英語ばかり。先取り学習に興味があります」
なぜ先取りは結果が出るのか、英語に振り切っていいのか。海外大学の"学力低下"が語られる今、脳科学者として本音でお答えします
最近、同じご相談をくり返しいただきます。
「うちの子、自分から勉強はあまりせず、英語ばかりやっています。先取り学習に興味があるのですが、なぜあんなに結果が出る子がいるのでしょうか。それに、海外大学を目指す子の"学力低下"が問題だと聞きます。いっそ英語に振り切らせていいものか、迷っています」
この迷い、よくわかります。そして、ここには「先取りはなぜ効くのか」「英語か勉強か」という二つの問いが絡まっています。両方に、脳科学者として、そして——正直に申し上げると——私自身が"そちら側の子ども"だったという経験から、お答えします。
最初に告白します。私は「詰め込みに向いていた子」でした
私は記憶力が良いほうでした。一度入れたことを覚えていられる。だから、塾的な「インプットを詰め込む」やり方が、自分にはハマっていました。覚えれば点が取れる。テストで結果が出る。いわゆる"勉強ができる子"として、私はこの方式に「向いていた」のです。
でも、東大で研究の世界に進み、コロンビアで臨床心理を学ぶ中で、私はある事実に直面しました。詰め込みで点が取れることと、自分の頭で考えられることは、別物だと。そして、記憶力という"才能"でカバーできてしまう子ほど、考える力が育たないまま先に進み、ある地点で必ず壁にぶつかる——私はそれを、身をもって知っています。
だからこそ、お子さまの「英語ばかり」「先取りに興味」を、ただ良し悪しでは判断しません。その奥で、脳に何が起きているかを見ます。
なぜ塾(=インプット)で結果が出るのか、そして何が起きるのか
まず大前提を共有させてください。塾がやっているのは、基本的に「インプット」です。 知識を入れ、解法のパターンを反復させ、演習量を積ませる。これ自体は悪いことではありません。学力の土台になります。
そして——ここが重要です——ワーキングメモリ(作業記憶=いわゆる"地頭の記憶力")が強い子ほど、この詰め込みで結果が出ます。 入れたものを保持でき、引き出せるからです。確かに、反復の中で「多少の考える力」もつきます。まったくゼロではありません。
問題は、その先です。
記憶力でインプットを処理できてしまう子は、「覚えて当てはめる」だけで高得点が取れてしまうため、自分で問いを立てたり、構造を見抜いたり、初見をうんうん考え抜いたりする筋肉を、使わずに済ませてしまう。点が取れているので、本人も親も塾も、誰も問題に気づかない。
そして、考える力が問われる地点——東大の二次、海外大学のエッセイと議論、その先の社会——で、急に詰まる。 「あんなにできた子が、なぜ」と言われる子の正体は、たいていこれです。記憶力という才能が、考える力の不在を長く隠していただけなのです。私自身が、その構造の中にいました。
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では、なぜ「先取り学習」はあんなに結果が出るのか
ご相談の核心、先取り学習の話に入ります。正直にお答えします。
先取り学習には、本当に効く理由があります。 嘘ではありません。脳科学的に説明がつきます。
ここまでは事実です。だから先取りで結果が出る子は、確かに出ます。
でも、ここに最大の落とし穴があります。
先取りには、二種類あるのです。ひとつは「考える力を育てる先取り」——なぜそうなるのかを自分で考え、構造で理解しながら進むもの。もうひとつは「ただ前倒しでインプットを詰め込む先取り」——解法を先に覚えてしまうもの。
そして、記憶力の良い子に後者をやらせると、短期的には最も華々しく結果が出ます。 早い・点が取れる・先取りしている。親も本人も大満足です。ところがその実態は、「考える力を育てないまま、詰め込みを前倒ししている」だけ。結果が出ているのに、いちばん危険な状態になりうるのです。
つまり、「先取りは効きますか?」への私の答えはこうです。「何を先取りするかではなく、どう先取りするかで、天と地ほど変わります。」 考える脳を育てる先取りは一生モノの武器になり、詰め込みの先取りは、後でいちばん高くつきます。
「英語ばかりで勉強しない」——これは、サインです
もう一つのご相談、英語の話です。
結論から申し上げます。英語か、勉強か——この二択そのものが、間違いです。
英語は「道具」です。世界とつながるための、強力な道具。やらせる価値は大いにあります。けれど、道具をどれだけ磨いても、その道具を使って"何を考えるか"がなければ、海外大学では通用しません。
なぜなら、ハーバードをはじめ海外のトップ大学が選び、そして入学後に徹底的に鍛えるのは、英語力そのものではなく——批判的に考え、自分の意見を構築し、書き、議論する力だからです。エッセイも、ディスカッションも、すべて「考える力」を見ています。
いま語られる「海外大学を目指す子の学力低下」とは、まさにこれです。英語と試験対策に振り切り、自分の頭で考える勉強を避けてきた子が、入った先で詰まる。 英語は話せる、でも中身が薄い——これが、起きていることの正体です。
そして、お子さまが「勉強はあまりせず、英語ばかり」という状態。これは私には、ひとつのサインに見えます。英語は"覚えれば進む"感覚があって、達成感が得やすい。一方で、考える勉強は不快で、避けたくなる。 お子さまは無意識に、ラクで結果の見える方(インプット)に逃げているのかもしれません。記憶力が良い子ほど、この逃避が"得意"になります。
だとすれば、必要なのは「英語を減らせ」でも「もっと勉強しろ」でもありません。考える勉強が、不快なものから面白いものに変わるよう、脳の側を設計し直すことです。
本質は「英語か勉強か」ではなく「インプット脳か、考える脳か」
ここまでをまとめます。
お子さまに必要なのは、英語を捨てることでも、勉強量を増やすことでもありません。インプットを"考える力"に変換する脳の回路を持つこと。これがあれば、英語も、先取りも、塾も、すべてが一生モノの武器に変わります。なければ、すべてが「後で詰まる前倒し」で終わります。
ただし——どこで詰まっているかは、お子さまごとに違います
ここで正直にお伝えしなければなりません。
「考える脳に設計し直す」と言っても、お子さまがいま、どの段階で詰まっているかは、一人ひとり違います。考える力を使わずに済ませているのか、使いたくても不快で避けているのか、そもそも基礎が薄くて考える余裕がないのか——原因が違えば、打ち手は正反対になります。
原因を見ずに「考えさせよう」と難問を与えても、逆効果になることすらあります。だからこそ私たちは、まずお子さまの脳を診断し、どこに手を入れるべきかを特定するところから始めます。これは、記事や一般論では決して代えられない部分です。
アルファ・ジーニアス|ブレイン強化プログラム【勉強脳コース】
・「アルファ脳診断」で、お子さまが"インプット脳"のどこで止まっているかを可視化
・「考える力を育てる先取り」と「詰め込みの先取り」を切り分け、お子さまに合う進め方を設計
・英語という道具を、考える力と結びつけて"海外大学で通用する"形に育てるサポート
・記憶力に頼った勉強から、想起・スキーマ構築・メタ認知を使う「考える勉強」への移行設計
・保護者様向け:お子さまの「ラクな方への逃避」を見抜き、考える勉強を面白がらせる関わり方ガイド
各月15枠限定
お一人おひとりの脳を診断・設計するため、各月15枠に限定しています。
枠が埋まり次第、その月の募集は締め切ります。
最後に、私自身の経験から申し上げます。記憶力という才能は、ありがたいものです。でも、それに頼って考える力を育てそびれた先に、必ず壁が来る。私はそれを知っているからこそ、お子さまには「覚えられる子」ではなく「考えられる子」になってほしいのです。
それは、何歳からでも、設計し直せます。お子さまの可能性を、科学で開いてください。
▼今月の枠を確認し、お申し込みになる方はこちら
>https://genius.alpha-academy.com/
坂下絵美。女子学院→東京大学薬学部→東京大学薬学系研究科(池谷研究室・脳科学/海馬研究)→コロンビア大学教育大学院(臨床心理学)。アルファ・アドバイザーズCOO(2020年〜)。アルファは18年間で累計8万名以上をサポート。