「偏差値55で止まっています。ここから女子学院は無理でしょうか」宿題が終わらない小5が、御三家に届くために"やめるべきこと"【中学受験相談】
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「偏差値55で止まっています。ここから女子学院は無理でしょうか」宿題が終わらない小5が、御三家に届くために"やめるべきこと"【中学受験相談】
アルファジーニアスに届くご相談で、
「成績を上げたい」「御三家に行かせたい」「何をすればいいか教えてほしい」
これはとても多い相談TOP3。今日はその代表的なご相談に、率直にお答えします。
ご相談(東京都・小5女子のお母さま)
小5の娘のことです。大手塾に小3の2月から通っています。偏差値は55前後で、この1年ほぼ動いていません。
クラスは上から3番目で、上のクラスに上がったり落ちたりを繰り返しています。
第一志望は女子学院です。娘が学校見学で気に入って、本人が行きたいと言っています。
ただ、塾の面談では「今のままだと厳しい。届いて御三家の下、現実的には偏差値60前後の学校」と言われました。
夏期講習の前に、塾からは算数の単科講座の追加をすすめられています。個別指導をつけるべきか、家庭教師か、それとも転塾か。何を足せば、偏差値は60を超えますか。ここから女子学院は、無理でしょうか。
私の答え:無理ではありません。ただし「足す」のをやめられれば、です
結論から言います。国語60超・算数40〜60を行き来する小5の偏差値55は、女子学院を諦める数字ではありません。むしろ、伸びしろの塊のような成績です。
でも、このまま何かを「足す」と、たぶん届きません。理由を説明します。
まず、この成績表が語っていること
国語が安定して60を超えている。これは大きな事実です。読解力と語彙、つまり考えるための土台はすでにあるということです。地頭の問題ではありません。
一方、算数が40台から60まで乱高下する。これは「算数ができない」のではありません。単元によって、理解できているところと、理解しないまま通過したところがまだらになっているサインです。大手塾のカリキュラムは全員一律のスピードで進むので、一度消化不良を起こした単元は、穴のまま置き去りになります。テストの範囲がたまたま得意な単元なら60、穴の単元なら40。乱高下の正体はこれです。
そして今、娘さんの1週間はどうなっているか。
宿題の3割が終わらない→終わらないままテスト→直しをする時間がない→穴はそのまま→また新しい宿題が来る。
穴を埋める時間が、構造的に1分も存在しないのです。この状態で単科講座や個別を「足す」と何が起きるか。埋める時間がさらに減ります。つまり、いま検討されている選択肢は、全部、症状を悪化させる方向を向いています。
「真面目なのに伸びない」の正体
もうひとつ、耳の痛い話をさせてください。
宿題が終わらない状態が1年続くと、子どもの脳は合理的な適応をします。「終わらせること」が目的になるのです。解けない問題は考えずに飛ばす。解説を写す。答えを見てから解いたことにする——真面目な子ほど、親を悲しませないために、これを静かにやります。
こうなると、机に向かっている時間のうち、脳に負荷がかかっている時間、つまり本当に学力になっている時間は、体感の半分以下です。夜11時までやって、朝も計算をやって、それで1年横ばい。時間と成果が釣り合っていないのは、娘さんの能力のせいではなく、勉強時間の中身が空洞化しているからです。
ちなみに、睡眠を削るのは最悪の一手です。記憶は睡眠中に海馬から大脳皮質へ移されて定着します。夜11時まで詰め込んで睡眠を削るのは、脳科学的には「入れた知識をその夜のうちに捨てている」のと同じです。
では、何をするか——足し算ではなく、入れ替え
具体的に言います。夏にやるべきことは3つです。
① 宿題を「全部やる」のをやめ、公認で3割捨てる。
塾の宿題は最上位クラスの子も同じ量をやる前提で出ています。娘さんに今必要なのは、新しい問題を薄く100問なぞることではなく、穴の単元を深く20問考えることです。捨てる勇気は子どもには持てません。これは親の仕事です。
② 空いた時間で、算数の「穴マップ」を作って埋める。
過去1年の模試を並べれば、偏差値40台を出した回の単元が穴です。たいてい割合・速さ・平面図形あたりに集中しています。夏の40日でここだけ潰す。範囲を絞れば、小5の夏は穴埋めに使える最後で最大のチャンスです。
③ 1問に10分「唸る時間」を戻す。
女子学院の算数が問うのは、処理速度と、基礎的な問題を間違えずに解くこと、そして初見の問題の前で考え続けられるかです。この力は、解けない問題とうんうん格闘する時間の中でしか育ちません。宿題に追われる生活は、この時間を真っ先に削ります。①で捨てるのは、③を取り戻すためです。
お気づきでしょうか。全部「足す」ではなく「入れ替える」です。お金は1円もかかりません。
それでも、ご家庭だけでは難しい理由
ここまで読んで、おそらくこう思われたはずです。
「理屈はわかった。でも、どの単元が本当に穴なのか、どの宿題を捨てていいのか、私には判断できない」
その通りなんです。この立て直しの成否は、診断の精度で決まります。捨てる宿題を間違えれば、ただの手抜きになる。だからこそ、ご家庭だけでやるのは怖い。塾に相談しても「全部やってください、講座も追加で」としか返ってきません。塾は構造上、引き算の提案ができないのです。
アルファジーニアスでは、この「診断と入れ替え」を仕組みにしています。
私が脳科学に基づいて直接チューニングしたAI学習システムが、娘さんの解答プロセスから穴の単元を特定し、そこに絞った演習を出します。このAIは答えを教えません。ヒントの出し方とタイミングを調整して、1問と格闘する時間——考える回路に負荷がかかる時間——を意図的に作ります。写して終わりの勉強が、物理的にできない設計です。穴が埋まれば、算数の乱高下は止まり、偏差値は下から持ち上がります。
あわせて進路設計アドバイザリーでは、女子学院までの残り20か月の逆算スケジュール、模試ごとの判断基準、併願校の設計まで、ご家庭側に立ってプランニングします。私たちはどの塾にも紐づいていないので、「その講座は取らなくていい」と言える、おそらく唯一の立場です。
最後に——「無理でしょうか」への答え
女子学院は、無理ではありません。
国語の土台があり、本人が行きたいと言っていて、算数の穴の位置まで成績表に出ている。
あとは、穴を埋める時間を作れるかどうか。それだけです。
娘さんに足りないのは、才能でも、努力でも、もうひとつの講座でもありません。勉強の中身を入れ替える決断です。そしてそれは、小5の夏の今ならまだ、十分に間に合います!
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坂下絵美(さかした・えみ)
女子学院 → 東京大学薬学部 → 東京大学薬学系研究科(脳科学/海馬研究)→ コロンビア大学教育大学院(臨床心理学)。アルファ・アドバイザーズCOO(2020年〜)。アルファは18年間で累計8万名以上の学習・キャリアサポート実績。