東京のインターナショナルスクール、その概要と「入り方」 脳の臨界期から逆算する、後悔しない一校の選び方

Emi Sakashita
α事務局

こんにちは。アルファアドバイザーズCOOの坂下絵美です。女子学院から東京大学理科二類に現役合格し、東京大学大学院薬学系研究科で脳科学(海馬)を研究、コロンビア大学教育大学院で学びました。現在は、子ども・留学ブランドのアルファジーニアスを含め、皆さんのキャリア戦略・受験・留学を統括しています。

今日は、東京のインターナショナルスクールについて、その全体像と「入り方」を、包み隠さずお伝えします。

最初に、一つだけ申し上げておきたいことがあります。インターナショナルスクールは、「入れたら勝ち」ではありません。 年間200万〜380万円、12年間で2,400万〜3,600万円という投資。そして何より、お子さんの脳が最も柔らかい、二度と戻らない数年間を、どの環境で過ごさせるかという選択です。

この二つの重さを踏まえて、全体像から順にお話しします。


まず全体像 — 東京の主要校を、カリキュラムで整理する

「インターナショナルスクール」とひとくくりにされがちですが、中身は学校ごとにまるで違います。まず、カリキュラムで大きく分けて捉えるのが出発点です。

アメリカ式(AP)。 アメリカン・スクール・イン・ジャパン(ASIJ)が代表格です。20科目を超えるAP(大学レベル科目)を開講し、SATの公式テストセンターも備える、伝統校です。学費は年間およそ300万〜380万円。

イギリス式(A-Level/IB)。 ブリティッシュ・スクール・イン・東京(BST)は英国式を軸にしつつ、2025年にIBディプロマ(IBDP)の正式認定校となりました。学費は年間およそ290万〜380万円。

国際バカロレア(IB)一貫。 K.インターナショナルスクール東京(KIST)は、PYP・MYP・DPまでIBで一貫し、IBDPの平均点で国内トップクラスの実績を掲げます。学費は年間およそ240万〜300万円。アオバジャパンもIB一貫で、在校生の約半数が日本国籍、英語力を6段階で支える手厚いEAL(英語を母語としない子への補習)が特徴です。

カナダ式(AP)。 カナディアン・インターナショナルスクール(CIS)は、日本籍の生徒が約48%、EALが充実し、学費が年間およそ180万〜250万円と比較的抑えめです。

女子校・男子校・独自路線。 清泉インターナショナル(IB・女子校、幼稚部はモンテッソーリ併用)、聖心インターナショナル(女子校、世界44カ国の聖心ネットワーク)、セントメリーズ(IB・男子校、STEMに強い)、そして西町インターナショナル(独自カリキュラムで、全学年に日本語を必修として組み込む)。それぞれに、はっきりした個性があります。

この時点でお気づきの通り、「有名だから」「近いから」で選べる世界ではありません。カリキュラムが、そのまま出口(どの国の、どの大学に進みやすいか)を規定するからです。


学費の「リアル」を、数字で直視する

夢のある話の前に、現実の数字を置いておきます。ここを曖昧にしたまま走り出すと、途中で止まれなくなります。

デイスクール(通学型)の年間学費の目安は、幼稚園で190万〜300万円、小学校で230万〜340万円、中学校で250万〜350万円、高校で270万〜380万円。ASIJやBSTの高校課程は、年間270万〜380万円が標準です。仮に幼稚園から高校まで12年間通えば、授業料だけで総額およそ2,400万〜3,600万円になります。寮のあるボーディングスクールなら、年間600万〜1,060万円です。

さらに、授業料以外の費用があります。出願料が2万〜5万円、合格後の席を確保する費用(多くは返金不可)が20万〜50万円、施設費・資本費が50万〜150万円。入学前の段階で、まとまった額が動きます。

補足すると、高校の授業料無償化について、多くのインターナショナルスクールは原則対象外です。ただし、文部科学省が指定する国際認定校(ASIJ、KIST、清泉、聖心、セントメリーズなど)は対象となり、年額最大39万6,000円の支給を受けられる場合があります。制度は動くので、その都度の確認が必要です。


「一条校のインターコース」という、もう一つの道

費用と資格の負担を抑える選択肢として、近年増えているのが、日本の学校(一条校)の中に置かれたインターナショナルコースです。広尾学園や三田国際学園などが知られ、学費は年間およそ50万〜100万円。日本の高卒資格が得られ、就学義務の問題も生じません。

ただし、トレードオフがあります。一条校のコースでは、IBディプロマやA-Levelといった国際資格は原則として取得できないケースが多い。海外大学への出願で、これらの資格が効いてくる場面では、不利になり得ます。「インターに近い環境を、日本の枠組みの中で」求めるのか、「純粋な国際カリキュラムと出口」を求めるのか。ここは、お子さんの長期ゴール次第で答えが分かれます。だからこそ、学校の種類を決める前に、ゴールから逆算する必要があるのです。

2026/08/03 15:07:57
Emi Sakashita
α事務局

脳科学から見た「なぜ、幼児期なのか」— そして、その落とし穴

ここからは、脳科学者としての視点でお話しします。

多くのご家庭が幼児期のインター入学を考えるのには、脳科学的な裏づけがあります。言語の習得には「臨界期(敏感期)」があり、幼い脳ほど、第二言語の音の聞き分けや文法を、母語のように自然に取り込めます。

その仕組みはこうです。幼児期の脳では、神経細胞どうしのつなぎ目(シナプス)が爆発的に増えます。そして成長とともに、よく使われる回路が残り、使われない回路は刈り込まれていく——「シナプスの刈り込み」と呼ばれる現象です。英語に日常的に触れる環境に早く身を置くほど、英語の回路が「残る側」に入りやすい。これは事実です。

加えて、二つの言語を日常的に使うバイリンガルの脳は、二つの言語を切り替える過程で、司令塔である前頭前野が鍛えられ、認知的な柔軟性や実行機能が育ちやすいことも分かっています。海馬を中心に、大人になってからも学習は続きますが(神経可塑性)、こと言語の土台に関しては、幼児期という窓は、確かに大きい。

——ここまでは、よく語られる話です。私が本当にお伝えしたいのは、その先です。

臨界期は、英語だけに開いているのではありません。母語である日本語と、その子のアイデンティティの土台も、同じ幼児期に育ちます。

つまり、「早く英語漬けにすればいい」という単純な話ではないのです。英語の回路を優先しすぎて日本語の土台が薄いまま育つと、思春期以降に「どちらの言語でも深く考えきれない」という壁にぶつかる子がいます。逆に、日本語の基盤を大切にしながら英語環境を設計できた子は、二つの言語の上で伸びていく。西町インターが全学年に日本語を必修として残しているのは、この設計思想の表れだと私は見ています。

だからこそ、インター選びは「英語力を上げる場所探し」ではなく、二つの臨界期を同時に設計する営みなのです。ここを外すと、取り返しがつきません。時間だけは、巻き戻せないからです。


出願資格の「落とし穴」— 特に、日本国籍のご家庭へ

全体像と脳の話を踏まえたうえで、多くのご家庭が見落とす、極めて重要な論点をお伝えします。

日本国籍のみのお子さんの場合、インターナショナルスクールへの就学が「就学義務違反」となり得ます。

日本の多くのインターナショナルスクールは、学校教育法上の「一条校」ではなく「各種学校」等の扱いです。そのため、日本国籍だけを持つ子を通わせることは、義務教育(就学義務)を満たさないと自治体に判断される場合があります。実際、東京のある区の案内には、はっきりとこう書かれています——インターに通わせることは「就学義務違反となります」、そして「区立中学校への入学は認められません」と。

これは、脅しではありません。制度上の現実です。だからこそ、入学の前に、お住まいの教育委員会(学務課)に事前相談することが求められます。多重国籍・外国籍のお子さんとは扱いが異なり、家庭ごとに取るべき手続きが変わります。

出願資格には、もう一つの層があります。英語要件です。学校は、おおむね三つの層に分かれます。EALで段階的に支える緩和型(アオバ、CISなど)、学年相当の基礎英語力を前提とする中程度(KIST、清泉など)、そしてネイティブに準じる英語力を入学時点で求める厳格型(BST、ASIJ、東京インターナショナルスクールなど)。同じ「インター」でも、入口の高さがまったく違うのです。

国籍と就学義務、英語要件。この二つの落とし穴を正しく踏まえずに動き始めると、時間もお金も、大きく空回りします。


「入り方」— 出願プロセスの全体像

では、具体的にどう入るのか。出願プロセスの実際を、時系列でお伝えします。

大原則は、入学希望の12〜18か月前から動くことです。人気校は定員が厳格で、思い立ってから間に合う世界ではありません。

9〜11月:情報収集。 オープンハウスや学校見学、オンラインツアーに参加し、我が子に本当に合う環境かを、肌で確かめます。

10〜1月:出願。 オンラインで願書を提出し、出願料(2万〜5万円)を納めます。この段階で、過去2年分の英文の成績表(翻訳・証明つき)、パスポート、在留カード、予防接種記録、出生証明書、必要に応じて標準テストのスコア、そして学年によっては現在の学校からの推薦状2通を準備します。書類は、量も、質の要求水準も高い。

11〜2月:アセスメントと面接。 お子さんは、CAT4・MAP・WIDAといった認知・英語のアセスメントを受けます。加えて、非ネイティブには英語スクリーニング、そして多くの学校で保護者面接と、子ども本人の「トライアウトデイ(体験入学)」があります。

1〜3月:合否と席の確保。 合格が出たら、席を確保する費用(20万〜50万円、多くは返金不可)を納めます。ここで施設費(50万〜150万円)が発生する学校もあります。

4〜6月:最終手続き。 在留・居住関係の書類を整え、入学が確定します。

なお、進学の節目であるYear 7(中1相当)とYear 12(高2相当)は、最も競争が激しい入口です。ASIJやBSTのような定員の厳しい学校では、優秀な子でも不合格ではなく「ウェイトリスト(補欠)」に置かれることが少なくありません。空席が出るまで、静かに待つことになります。


合否を分けるのは、実は「子どもの英語力」だけではない

ここは、18年以上・8万人超の受験・留学支援を通じて申し上げられる、核心です。

保護者面接があるのは、飾りではありません。 学校は、家庭の教育方針が、その学校の理念と一貫しているかを見ています。なぜこの学校なのか。お子さんの言語環境を家庭でどう設計するのか。長期的に、どんな人に育ってほしいのか。ここが曖昧だと、どれだけ子どもの英語ができても、「この家庭とは長く歩めない」と判断されることがあります。

書類も同じです。英文の成績表や推薦状、出願理由——これらが、一本のストーリーとして「この子は、この学校で伸びる」と読めるかどうか。点の寄せ集めではなく、一本の線として設計されているか。これは、以前キャリアの記事でお伝えした「職務経歴書が一本の線になっているか」と、まったく同じ構造です。読み手が採用担当か入学審査官かの違いだけで、見抜かれる本質は変わりません。

そしてもう一つ。学校選びのミスマッチは、子ども自身ではどうにもできません。 カリキュラム(出口)、英語要件(入口)、校風、そして我が子の脳の育ち方。この四つを掛け合わせて、初めて「この子にとっての一校」が決まります。ランキングや知名度だけで選ぶと、入れたのに合わなかった、という最ももったいない結末を招きます。

2026/08/03 15:08:06
Emi Sakashita
α事務局

ご家庭が陥りやすい、4つの失敗

最後に、私たちが実際に見てきた「もったいない失敗」を、4つだけ共有します。

一つ、動き出しが遅い。 12〜18か月前が原則なのに、入学の半年前に相談に来られる。人気校はすでにウェイトリストが動いていて、選択肢が大きく狭まります。時間は、最大の資産です。

二つ、英語力だけで判断する。「うちの子は英語ができるから大丈夫」。でも学校が見るのは、子どもの英語より、家庭の一貫性と、その子がその校風で伸びるかどうかです。

三つ、国籍と就学義務を見落とす。 特に日本国籍のご家庭。入学してから手続き上の問題に気づくと、進路が根本から揺らぎます。ここは、最初に押さえるべき論点です。

四つ、ブランドで選ぶ。 知名度やランキングで決めて、カリキュラム(出口)と我が子の相性を見ない。入れたのに合わなかった、という結末は、金額以上に、時間の損失が大きい。

どれも、正しい順番と、正しい情報があれば、避けられます。


なぜ、アルファジーニアスに出願を任せるべきなのか

ここまで読んでくださった方は、もうお気づきだと思います。インターナショナルスクールの出願は、情報が複雑で、非対称で、しかも取り返しのつかない選択の連続です。学費という大きな投資、脳の臨界期という戻らない時間、就学義務という法的な論点、学校ごとに違う入口と出口。これを、初めてのご家庭が独力で最適化するのは、率直に言って、無理があります。

アルファジーニアスは、アルファアドバイザーズが18年以上・8万人超の受験・キャリア・留学支援で培ってきた方法論を、お子さんの教育に向けたブランドです。私たちの出発点は、いつも同じ。まず、長期ゴールから逆算することです。10年後、20年後、お子さんにどんな人になっていてほしいのか。そこから、どのカリキュラムで、どの言語設計で、どの学校を選ぶべきかが決まります。

そのうえで、私たちがご一緒するのは、学校選びの最適化、出願書類と英文レジュメ・エッセイの設計、保護者面接の準備、お子さんのアセスメント対策、そして日本国籍のご家庭の就学義務にまつわる手続きの整理まで。一校の合格ではなく、その子が二つの言語と二つの文化の上で伸びていく、その長い線を一緒に描きます。

脳科学の知見を、教育の現場に落とし込む。これは、私がアルファジーニアスで最も大切にしていることです。お子さんの脳が最も柔らかいこの数年を、どうか、なんとなくで決めないでください。

我々の使命は、一人ひとりの能力と人間力を高め、長期ゴールを明確にし、世界に貢献するリーダーを育てることです。それは、お子さんの教育においても、まったく同じです。

まずは、長期ゴールを一緒に言語化するところから始めませんか。

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アルファジーニアス | https://genius.alpha-academy.com/

2026/08/03 15:08:18

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