「基本はできるのに応用になると解けない」その原因は、脳の使い方にある。東大生が磨いている応用力の磨き方とは?
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「基本問題はできるんです。でも、応用になった途端にまったく手が出なくなる」
これは、私たちアルファに相談に来る親御さんの中で、最も多い悩みの一つです。
お気持ちはよくわかります。塾の宿題はちゃんとやっている。基本問題の正答率は悪くない。なのに、模試の応用問題になると点が取れない。「もっと問題数をこなせば解けるようになるはず」と思って、さらに問題集を買い足す。でも、状況は変わらない。
実はこれ、努力が足りないのではありません。「脳の使い方」が根本的に違うのです。
東大薬学部で脳科学を研究し、コロンビア大学で臨床心理を学んだ立場から、そしてアルファで累計8,000名以上の学習を直接見てきた立場から、この問題の正体をはっきりお伝えしたいのです。
「パターン暗記」と「概念理解」——脳の中で起きていることが違う
お子さんが基本問題を解いているとき、脳の中で何が起きているか。
多くの場合、「この形の問題が来たら、この解法を当てはめる」というパターンマッチングをしています。問題の見た目と解法をセットで記憶し、似た問題が来たら同じ手順を繰り返す。これは「パターン暗記型学習」と呼ばれるもので、基本問題はこれで解けてしまうのです。
一方、応用問題で求められているのはまったく別のことです。「この問題の構造は何か」「どの原理が使えるか」「なぜこの解法が有効なのか」——こうした深いレベルでの理解、つまり概念理解です。
脳科学的に言えば、パターン暗記は主に記憶の再生(海馬を中心とした記憶回路)に依存しています。一方、概念理解に基づく問題解決は、前頭前皮質(判断・推論を司る領域)が積極的に関与します。使っている脳の回路がそもそも違うのです。
パターン暗記だけで勉強してきた子は、前頭前皮質を使う練習をしていない。だから、応用問題——つまり「見たことのない形」の問題が出た瞬間に、対処する回路が動かないのです。
チェスのグランドマスター研究が教えてくれること
ここで、認知科学の世界で有名な研究を紹介します。
チェスの世界では、グランドマスター(最高位のプレイヤー)とアマチュアの脳の使い方の違いが、長年にわたって研究されてきました。Chase & Simon(1973)の古典的研究では、グランドマスターは盤面を一目見ただけで、駒の配置をほぼ完璧に再現できることがわかっています。
でも、ここが重要なポイントです。駒をランダムに配置した盤面では、グランドマスターもアマチュアも記憶力に差がなかったのです。
これは何を意味するのか。
グランドマスターは「駒の位置」を一つずつ覚えているのではありません。盤面の「構造」を読み取っているのです。「この配置はこういう戦略的意味がある」「ここにこの駒があるのは、こういう攻撃パターンだ」という、意味のある塊(チャンク)として認識している。だからこそ、意味のある配置は瞬時に覚えられるけれど、意味のないランダム配置では優位性が消える。
研究者のGobet & Simon(1996)は、グランドマスターが長年の訓練を通じて獲得するチャンクの数を約50,000個と推定しています。しかも、単なるパターンの暗記ではなく、それらがテンプレート(より大きな構造的知識)へと進化し、柔軟に応用できるようになると指摘しているのです。
これはそのまま、勉強にも当てはまります。
応用が利く子は、問題の「見た目」ではなく「構造」を見ている。応用が利かない子は、問題の「見た目」でしか判断できない。この差は、暗記の量ではなく、脳の使い方の違いなのです。
「たくさん解く」だけでは応用力は育たない
ここで、多くの親御さんが陥る罠について、はっきり言わせてください。
「問題をたくさん解けば応用力がつく」は、半分正しくて、半分間違っています。
確かに、問題数をこなすことで知識の幅は広がります。でも、パターン暗記のまま量をこなしても、脳が「パターンマッチングモード」で動き続けるだけなのです。1,000問解いても、1,000個のパターンが増えるだけ。見たことのない1,001問目には、やはり対処できません。
認知科学では、ある文脈で学んだ知識を別の文脈に適用できる力を「転移(transfer)」と呼びます。そして研究が繰り返し示しているのは、転移は自然には起こりにくいということです。
特に、問題の見た目が違う場面への応用——いわゆる「遠い転移(far transfer)」は、意識的なトレーニングなしには非常に起こりにくいことがわかっています。つまり、「たくさん解けばそのうち応用できるようになるだろう」という期待は、科学的には根拠が弱いのです。
では、転移する力を育てるには何が必要なのか。
「なぜこの解法が使えるのか」を、問題を解くたびに考えさせることです。答えが合っていたかどうかではなく、「この問題の構造は何だったのか」「別の問題でも同じ原理が使える場面はどこか」を考えさせる。
これは、脳を「パターンマッチングモード」から「構造認識モード」に切り替えるトレーニングなのです。
「なぜ」を問う習慣が、前頭前皮質を鍛える
もう少し具体的に、脳の中で何が起きているかをお伝えします。
パターン暗記型の学習をしているとき、脳は「入力→出力」の単純な回路で動いています。この問題の形が来たら、この解法。反射に近い動きです。
一方、「なぜこの解法なのか」「この問題の構造はどうなっているのか」と考えているとき、前頭前皮質が活発に動きます。情報を比較し、抽象化し、原理を抽出する——これは、脳にとって負荷の高い作業です。でも、この負荷こそが、前頭前皮質を鍛えるのです。
筋トレと同じです。軽い重りを何百回持ち上げても、筋力は効率的には上がりません。適切な負荷をかけることで、初めて成長するのです。
パターン暗記型の学習は、脳にとって「軽い重り」です。答えは出る。正答率は上がる。でも、前頭前皮質は鍛えられていない。だから、負荷が上がった瞬間(=応用問題)に、対応できないのです。
「応用が利かない子」は、教え方で変わる
ここが最も大事なポイントです。
「応用が利かない」は、その子の能力の問題ではありません。教え方の問題です。
パターン暗記型の学習だけをさせていれば、どんなに頭のいい子でも応用力は育ちません。逆に、構造を見抜くトレーニングをすれば、もともと「応用が苦手」と思われていた子が、見違えるように解けるようになることは珍しくありません。
私自身、女子学院から東大薬学部に進み、大学院では池谷裕二先生の研究室で脳科学を研究していました。その経験から言えるのは、勉強の本質は「覚えること」ではなく「考えること」だということです。
チェスのグランドマスターが50,000個のチャンクを持っているのは、50,000個の配置を丸暗記したからではありません。何万回もの対局を通じて、構造を見抜く力を鍛えた結果として、自然に蓄積されたものです。
勉強も同じです。問題を解くたびに「なぜ?」と考える。一つの問題から原理を抽出し、別の問題に当てはめてみる。この繰り返しが、応用力の正体なのです。
「構造を見抜く力」を育てる具体的な方法
では、家庭で何ができるのか。3つの方法をお伝えします。
① 「答え合わせ」ではなく「構造合わせ」をする
問題を解いたあとに「合ってた?」で終わらせない。「この問題は、結局何を聞いていた?」「どの原理を使った?」「似た構造の問題を他に見たことある?」と聞いてみてください。答えの正誤よりも、問題の構造を言語化させることが重要です。
② 一つの問題を「3つの角度」から見せる
同じ原理で解けるけれど見た目が全然違う問題を3つ並べて、「この3問の共通点は?」と考えさせる。見た目が違うのに構造は同じ——この経験を繰り返すことで、脳は自然に「表面」ではなく「構造」を見るようになります。
③ 「教える」経験をさせる
誰かに教えるとき、脳は「自分が本当に理解しているか」を自動的にチェックします。パターン暗記だけでは人に教えられません。「なぜそうなるのか」がわかっていないと、説明できない。教えることは、最高の構造理解トレーニングなのです。
「応用力」は鍛えられる。ただし、正しい環境設計が必要です
お子さんが「基本はできるのに応用が解けない」のは、能力の問題ではありません。
脳の使い方を切り替えるトレーニングが、まだできていないだけなのです。
パターン暗記型の勉強を続ければ、基本問題の正答率は上がります。でも、その先——応用問題、入試本番、そして社会に出てからの「正解のない問題」に立ち向かう力は育ちません。
アルファジーニアスでは、脳科学に基づいた学習診断で、お子さんが「パターン暗記型」で止まっているのか、「構造理解型」に移行できているのかを見極めます。そのうえで、「考える力」を引き出す学習設計を一人ひとりに合わせてつくります。
オンラインAI特訓プログラムでは、問題を解くだけでなく、「なぜその解法なのか」「別の場面でどう使えるか」を考えさせるトレーニングを組み込んでいます。
お子さんの学力を、「基本どまり」から「応用が利く」に変えたい方。そして将来、東大・ハーバード・スタンフォードへの進学、さらにはゴールドマン・サックス、マッキンゼー、三菱商事といったトップ企業で活躍できる力を育てたい方。
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著者:坂下絵美
女子学院中学・高等学校から東京大学に現役合格。東京大学薬学部卒、東京大学薬学系研究科にて脳科学を研究(池谷裕二研究室・海馬/歯状回)。コロンビア大学教育大学院にて臨床心理学研究。2020年よりアルファ・アドバイザーズCOO。アルファ・アドバイザーズは17年間で累計8,000名以上の学生・社会人のキャリアと学びをサポート。自身も受験指導・語学指導の最前線に立ち、SAT 1500点超、TOEFL 100点超、IELTS 7.5以上の達成者を多数輩出。中高生の難関校合格(渋幕・渋渋・筑駒・海外ボーディングスクール等)から、大学受験、海外大学進学まで「勉強の中身」を直接見て結果を出すスタイルで伴走している。脳科学と臨床心理の知見をベースに、アルファジーニアスでは学習力と人間性の両面からの教育アドバイザリーおよびオンラインAI特訓プログラムを提供している。